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コラム

消防と建築の専門家が考察する|名古屋大学「薬品爆発事故」から学ぶ 化学物質管理と法令遵守の要諦|中部消防点検サービス株式会社 中部建築設備二級建築士事務所|愛知県 岐阜県 三重県 静岡県|AICHI GIFU MIE SHIZUOKA JAPAN

名古屋大学「薬品爆発事故」から学ぶ 化学物質管理と法令遵守の要諦|中部消防点検サービス株式会社 中部建築設備二級建築士事務所

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 目次

1. はじめに 事故の概要と消防と建築の専門家としての視点
2. テトラクロロシランの危険性と技術的背景
3. 消防法と建築基準法による重層的規制
4. 実務に役立つ図表
5. 中部地方4県(愛知県・岐阜県・三重県・静岡県)の条例と事例
6. 消防と建築の専門家からの提言 事故を防ぐための3つの柱
7. 消防と建築の専門家としてのまとめ
8. 参考文献・出典元・引用元・参照先 一覧



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1. はじめに 事故の概要と消防と建築の専門家としての視点

2025年12月23日、愛知県名古屋市千種区名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所(ITbM)において、薬品整理中に容器が爆発する事案が発生しました。負傷された3名の方々には心よりお見舞い申し上げます。

この事故で注目すべきは、薬品の「整理中」に発生した点、及び対象物質が「テトラクロロシラン(四塩化ケイ素)」であった点です。私たち消防と建築の専門家は、単なる不注意として片付けるのではなく、建物(建築物・防火対象物)の構造(建築基準法)と物質の管理(消防法)、そして地域ごとの規制(条例)がどのように機能すべきだったかを検証しなければなりません。


2. テトラクロロシランの危険性と技術的背景

テトラクロロシラン
(SiCl₄)は、半導体製造や光ファイバーの原料として不可欠ですが、極めて反応性が高い物質です。

水分との反応: 空気中の水分と反応し、激しい発熱とともに塩化水素
(HCl)の白煙を生じます。
物理的危険性: 密閉容器内で分解や反応が進むと、内圧が上昇し物理的爆発(容器破損)を引き起こすリスクがあります。
健康有害性※1GHS分類において、皮膚腐食性、眼に対する重篤な損傷性、急性毒性(吸入)が指摘されています。

:※1 化学品の危険有害性(爆発性、引火性、毒性、環境への影響など)を、世界共通のルールに基づいて判定・分類し、その情報を「絵表示(ピクトグラム)」や「SDS(安全データシート)」を使って、誰にでも分かりやすく伝達するための国際システムです。これにより、国や言語が違っても同じ化学品の危険性を理解し、安全に扱えるようにすることが目的です。 

参照元

厚生労働省:職場のあんぜんサイト「テトラクロロシラン」SDS
経済産業省:化学物質管理(METI)


3. 消防法と建築基準法による重層的規制

大学(消防法施行令別表第1の第7項)の研究施設は、特定多数が利用する「非特定防火対象物・特殊建築物」としての側面と、多種多様な危険物を扱う「危険物施設」の側面を併せ持ちます。

消防法(昭和23年法律第18号)の適用

テトラクロロシラン自体は、消防法第2条第7項の「危険物」に直接該当しない場合でも、その貯蔵量や周囲の物質との兼ね合いにより、「指定数量」の計算に含めるべき物質、あるいは「指定可燃物」としての管理が求められます。

消防法施行令第10条: 消火設備の設置基準。
消防法施行令第11条: 警報設備の設置基準(自動火災報知設備等)。

建築基準法(昭和25年法律第201号)の適用

研究施設における薬品庫は、建築基準法上の「防火区画」が極めて重要です。

建築基準法施行令第112条: 火災の拡大を防ぐための「面積区画」や「竪穴区画」。
建築基準法施行令第129条の2の5: 換気設備の設置。薬品が漏洩した際の滞留を防ぐ局所排気装置との連動が必須です。


4. 実務に役立つ図表

消防と建築の専門家として、実務に直結するチェックリストと法令マトリックスを提示します。

化学物質のライフサイクル別 法令対応マトリックス

ステージ

主な関連法令

技術的要件と設計対応

確認事項

取得・搬入

化学物質管理法

SDS(安全データシート)の確認

危険有害性の把握

貯蔵・保管

消防法・安衛法

防火区画内の耐火棚、容器の腐食確認

指定数量の超過確認

使用・実験

労働安全衛生法

局所排気装置(ドラフトチャンバー)

保護具の選定・着用

整理・廃棄

廃棄物処理法

分別保管、安定化処理の検討

混合禁忌の確認

図表は参考文献・参考資料・引用元・参照先よりオリジナルで作成しました。

大学・研究施設における防火区画設計チェックリスト

項 目

内 容

法令と根拠

専門家のアドバイス

耐火性能

壁・床の耐火時間(1時間以上推奨)

建基法第2条

延焼防止の要

開口部管理

常時閉鎖式防火戸又は随時閉鎖式

建基法施行令第112条

隙間からのガス漏洩防止

避難動線

二方向避難の確保(重複距離の制限)

建基法施行令第121条

爆発時の避難路確保

標識・掲示

危険物の類別・品名・最大数量の掲示

消防法第10条

消防隊の進入時の安全確保

※図表は参考文献・参考資料・引用元・参照先よりオリジナルで作成しました。


5. 中部地方4県(愛知県・岐阜県・三重県・静岡県)の条例と事例

部消防点検サービス株式会社 部建築設備二級建築士事務所営業エリアである中部地方4県では、各県の消防条例により、国の法律を補完する厳しい独自ルールが存在します。

愛知県(名古屋市)
名古屋市火災予防条例」に基づき、大学等の研究施設では「指定数量未満の危険物」であっても、一定量を超える場合は「届出」が必要です。今回の名古屋大学の事例でも、条例に基づく保管基準の遵守状況が再確認されることになります。

岐阜県
岐阜県危険物規制規則」により、製造所等の位置、構造及び設備の基準が細かく定められています。特に山間部の研究施設等では、積雪荷重を考慮した建築設計と消防用設備の維持管理が求められます。

三重県
コンビナート地帯を擁する三重県では、「三重県震災対策推進条例」等に基づき、地震発生時の薬品転倒防止対策が強く推奨されています。

静岡県
静岡県火災予防条例」では、特に「少量危険物」の貯蔵に関する規定が詳細です。東海地震を想定し、建築基準法上の耐震基準に加えた、設備独自の耐震固定が技術者に求められます。

中部地方4県(愛知県・岐阜県・三重県・静岡県)消防条例の独自規制比較

自治体

独自規制の重点項目

実務上の留意点

行政への確認事項

愛知県(名古屋市)

指定数量未満の危険物規制

少量危険物」の貯蔵基準が詳細

届出様式及び火災予防条例

岐阜県

積雪荷重と消防設備

豪雪地帯での消火栓設備・避難器具の有効性

雪害対策ガイドライン

三重県

震災対策と化学物質

石油コンビナート等災害防止法との兼ね合い

転倒防止処置の義務化範囲

静岡県

地震防災強化地域

耐震補強と連動した消防用設備の固定

独自基準の「耐震クラス

※図表は参考文献・参考資料・引用元・参照先よりオリジナルで作成しました。


6. 消防と建築の専門家からの提言 事故を防ぐための3つの柱

「整理」こそが最大の危機
多くの事故は「使用中」よりも「整理・廃棄時」に発生します。経年劣化した薬品容器の移動は、内圧変化や混合反応を誘発します。専門の資格者(危険物取扱者等)の立ち会いを徹底して下さい。

建築と消防の「連動」
建築設計における「防火区画」と、消防用設備における「感知・消火」を切り離して考えてはいけません。特に薬品庫は、万が一の爆発時に「圧力をどこへ逃がすか(爆裂パネルの設置等)」まで考慮した高度な建築設計が必要です。

地域条例の精査
中部地方4県愛知県・岐阜県・三重県・静岡県)での設計・施工・点検・試験・調査・検査においては、各自治体独自の「火災予防条例」を熟知していることが、E-E-A-T(専門性・権威性)の担保に繋がります。

中部地方4県 消防条例・建築関連リンク集

自治体

消防条例・規制情報リンク

備 考

愛知県

愛知県 防災・消防

名古屋市条例に注意

岐阜県

岐阜県 消防課

危険物管理指針あり

三重県

三重県 消防・防災

震災対策との連動

静岡県

静岡県 消防・防災

地震対策の先進事例

※図表は参考文献・参考資料・引用元・参照先よりオリジナルで作成しました。


7. 消防と建築の専門家としてのまとめ

名古屋大学での爆発事故は、すべての技術者に対する警鐘です。当事務所では、愛知県・岐阜県・三重県・静岡県の地域特性に合わせた消防用設備(消防設備保守点検・防火対象物定期点検・防災管理定期点検・連結送水管耐圧試験・自家発電設備負荷試験)・建築診断(特定建築物定期調査・建築設備定期検査・防火設備定期検査)を行っております。法令遵守は「守り」ではなく、そこで働く方々の命を守る「攻め」の安全管理です。

作成日:2025年12月24日 久野 正則


8. 参考文献・出典元・引用元・参照先 一覧

総務省消防庁:危険物災害の防止
国土交通省:建築基準法関連資料
名古屋大学 トランスフォーマティブ生命分子研究所(ITbM)
総務省消防庁消防法消防法施行令国土交通省建築基準法建築基準法施行令内閣府防災担当災害対策基本法気象庁総務省厚生労働省等各省庁各種法令
愛知県防災局三重県防災対策部静岡県危機管理部岐阜県防災課公表資料
愛知県岐阜県三重県静岡県 各防災計画(令和5年度版)
愛知県岐阜県三重県静岡県 各県建築部局公表資料(2024年度版)


ライセンス・引用について「この記事は、消防建築防災に携わる技術者専門家、研究、教育、報道目的の方々の参考資料として自由に引用・共有・サイテーションを頂けます出典元をご明記の上ご活用下さい)」


最近日本全国で大小様々な地震が起こっています。万が一の巨大地震にしっかり備えておきましょう
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日本は、4枚のプレート北米プレートユーラシアプレート太平洋プレートフィリピン海プレート重なる特殊な国です。

世界の活火山の約7割日本にあり、日本国内111山の活火山があります。(日本一高い山富士山活火山です)

地震の主な原因は、プレートの歪み沈み込み)によるものか、活火山の噴火火山灰の中にはガラス繊維などが含まれています)によるものが地震の主な原因とされています。

地震の種類には、大きく分けて「内陸型(直下型)」と「海溝型(プレート境界型)」があります。
内陸型地震は、地下20キロくらいまでの比較的浅い震源で起こります。内陸部にある岩盤(プレート)に大きな力が加わると、ひずみが蓄積されたり断層(ずれ)や割れが生じたりします。そして、あるタイミングで地表面近くの岩盤が破壊されると、局地的に激しく揺れる原因となります。
一方、海溝型地震は、海のプレートが陸のプレートの先端を引き込みながら沈むときにひずみがたまり、それが限界に達すると陸のプレートが一気に跳ね上がることが原因です。接するプレート面が広ければ広いほど、ずれて動く距離が長ければ長いほど地震の規模は大きくなります。

日本の面積世界全体の0.25%程度と言われています。しかし、日本で起きた地震の回数を計測してみると、それは世界全体の18.5%達するとも言われています。


日本は、世界でも稀にみる地震大国なのです。

最近では、阪神淡路大震災1995年1月17日・M7.3)や新潟県中越地震2004年10月23日・M6.8)、東日本大震災2011年3月11日・M9.0)、熊本大地震2016年4月16日・M7.3)、北海道胆振東部地震2018年9月6日・M6.7)、能登半島地震2024年1月1日・M7.6・震度7)が記憶新しいです。

南海トラフ巨大地震は、今後
30年以内に発生する可能性(マグニチュード(M)8~9クラス)について、以下の二つのモデルによる計算結果提示されました。
①「すべり量依存BPTモデル(Slip-Size Dependent BPT model)」による評価:60%~90%程度以上。 地震本部
②「BPTモデル(Brownian Passage Time model)」による評価:20%~50%地震本部
いずれの数値も従来の「約80%程度」という評価を変更するものではなく、「高い」可能性を維持しています。 地震本部
50年以内90%以上の確率で起きると言われています。

首都直下型地震(シン・関東大震災)は、30年以内約70%以上の確率で起きると言われています。

30年以内、50年以内というのは、もしかしたら明日かも?明後日かも?(そうだったのか!!池上彰の学べるニュース・テレビ朝日で、池上 彰氏が言っていました)知れません!

池上 彰氏Wikipedia(ウィキペディア)は、⇒こちら外部リンクをご参照ください。


建築物耐震構造・制震構造・免震構造を取り入れることで、震災を最小限に抑える可能性もあります。

巨大地震が発生した後には、建物の倒壊(建築・国土交通省土砂崩れインフラ設備の破損津波火災(消防・総務省消防庁液状化現象順番で襲って来ます。

もしかしたら、南海トラフ巨大地震首都直下型地震富士山の噴火同時大連動)に起こるかも!?知れません。実際320年前には、大連動が起きました。

地震後の津波の高さも、30メートルを超えて規格外の高さ・大きさ襲ってくるかも!?知れません。

日本では、まさか!備えて準備をしておく必要があります。

遇者経験から学び賢者歴史から学びます。

人間の脳1日と3/4といわれる様に、寝てしまう約75%忘れてしまいます。よく人間3日忘れてしまう風化してしまう)というのは、この考え方から来ていると思います。

人間の記憶力少しでも伸ばす為には、インプット3割 アウトプット7割にすると脳内に記憶が定着すると言われています。

地震(災害)は予期せぬ時に起こり、人の命財産を奪っていきます。人間が地震に対して抗うことが出来るとすると、定期的建築基準法第12条第1項定建築物定期調査壁調査建築基準法第12条第3築設備定期検査火設備定期検査災管理定期点検消防法第36条)・火対象物定期点検消防法第8条の2の2)・家発電設備負荷試験結送水管耐圧試験防設備保守点検消防法第17条3の3)・防設備改修工事消防法第17条の4)を行って、建物のメンテナンス怠らない事しか出来ません。

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部消防点検サービス株式会社 部建築設備二級建築士事務所  代表取締役 久野 正則消防建築専門家
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総務省消防庁             03-5253-5111
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愛知県消防庁             052-961-2111
岐阜県消防庁             058-272-1122
三重県消防庁             059-224-2108
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名古屋市消防局
    予防部 予防課 予防係 052-972-3542
名古屋市熱田消防署   052-671-0119
名古屋市千種消防署   052-764-0119
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名古屋市瑞穂消防署   052-852-0119
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精華分署                        058-253-0119
岐阜南消防署                 058-272-2012
西分署                            058-272-3942
柳津分署                        058-388-9119
岐阜北消防署                 058-231-5308
黒野分署                        058-239-3942
島分署                            058-233-3942
岩野田分署                     058-232-1942
三輪分署                        058-229-3942
瑞穂分署                        058-327-0119
巣南分署                        058-328-0119
山県分署                        0581-22-0119
美山分署                        0581-55-2119
本巣分署                        058-324-0119
根尾分署                        0581-38-3113
本巣北分署                    0581-34-2119
真正分署                        058-322-0119

岐阜市役所                    058-265-4141
大垣市役所                    0584-81-4111

津市役所                       059-229-3104
四日市市役所                059-354-8104
桑名市役所                   0594-24-2945
鈴鹿市役所                   059-382-1100

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